EUの欧州議会が、食料危機に対応するため、バイオ燃料の利用拡大を定めた数値目標を修正する方針を決めたそうです。
トウモロコシや小麦など穀物類を原料とするバイオ燃料の利用を規制するというもの。
具体的な内容は、
輸送用燃料に占めるバイオ燃料の利用割合を、2020年を期限に10%に高めるという目標を
(4%分を麦わらや廃材、雑草などの食料以外の原料で作る、という)
実質的に6%に引き下げるというものです。
これは、世界的な食料価格の上昇を踏まえた対応ということですが、
当初から予測できたことではないでしょうか。

2007年4月14日付け、『バイオ燃料を増産⇒食料自給率が低下!?』と題して、次の一文を投稿しました。
青色の字は新聞記事を、黒色の字は私の意見です。今も変わらないので再掲しました。

『バイオ燃料、国産化めざす』 (ガソリン代わり、農業の振興にも、コストが課題に)
ちょっぴり古い話、日経4月8日の記事です。
地球温暖化への対策が緊急課題となるなか、サトウキビやトウモロコシなどからつくるバイオ燃料が、原子力と並んで新しいエネルギー源として期待を集めている。「京都議定書」では、バイオ燃料は二酸化炭素の排出量はゼロと見做される。また、石油や石炭などの化石燃料に比べて、人間の手で簡単に、短期間につくれる。地球温暖化をくい止めるためにも、化石燃料の利用を抑えてバイオ燃料を普及させる必要がある。
バイオ燃料の普及は資源のリサイクルにもつながる。この燃料(エタノール)は家屋を壊したときなどに出る廃木材からもつくれる。ブラジルや米国ではバイオエタノールをたくさん生産しており、ガソリンに混ぜて燃料にする自動車の普及も進んでいる。日本は、バイオ燃料に対応した自動車の実験段階にあるが、バイオ燃料の国産化を進めようとしている。バイオ燃料の国産化は、食用以外の需要が増えるので、農業の振興にもつながる。農業界にとっても朗報といえるであろう。
バイオエタノールの国内生産量は2005年時点で30㌔㍑。政府は、30年までに、国内ガソリン消費量の一割に当たる年間600万㌔㍑に増やすことを目指している。しかし、バイオ燃料が一番効率よくつくれるサトウキビを原料にしてもガソリン価格を上回ってしまう。日本の気象に合う品種の開発が必要である。欧州などではバイオ燃料の税金を軽減している国もある。日本も普及を促す制度整備が急務となっている。
以上は記事の概要です。
風力、水力、太陽光などの再生可能エネルギーのうち、特にバイオを取り上げ、バイオ燃料の研究開発、生産、普及を急がねばならぬと訴えています。
文中、廃木材リサイクルの記述もありますが、サトウキビを推奨しているように思われます。記事では、「(バイオ燃料の)国産化は農業の振興にもつながります。食用以外の需要が増えるからです。人口が減って日本の胃袋は縮みつつあるなかで、農業界にとっても朗報といえるでしょう。」とあります。
この“農業”には“林業”が含まれていないと理解して、
私は、化石燃料からバイオ燃料へ、という流れは当然と思いますし、国産化には大賛成です。しかし、食用にできる野菜などをバイオ原料とすることには反対です。
廃木材リサイクルへの言及は、記事では僅か数行ですが、バイオ燃料の国産化には、むしろ積極的に、この廃木材の活用を考えるべきと考えます。
食べられるものは、あくまでも食用とすればよい。“農業の振興にもつながる”と記していますが、現在の農業の衰退傾向は、人口の減少(=記事でいうところの、胃袋の縮み)とは相関関係にはないと思っています。バイオ燃料の原料としてサトウキビなどを栽培する、それが野菜などの栽培面積を減らし、ますます自給率が減少していくことを恐れます。
温暖化をむしろ好機ととらえ、農業と同じく、いやそれ以上に衰退、廃業の危機に陥っている林業の復興、振興を図るときではないでしょうか。
林業の復興が沿岸漁業の活気を取り戻し、そして農業の振興につながっていく。そう遠くない将来の、第一次産業の復権、復興、振興を期待したい。

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